離婚
離婚後、子どもと離れて暮らしている親です。定期的な子どもとの「面会交流」の際に、気をつけるべき点は何ですか
離婚によって夫婦が別々に暮らすようになってからも、子どもと暮らせなくなった親が子どもと定期的、継続的に交流を保つことが「子どもとの面会交流」です。離れて暮らす親の権利という意味以上に、子どもの健全な成育にとって必要で、重要なものだと考えることが重要です。
離婚という親の側の事情で、子どもの成育環境は大きく動揺、変化します。しかし面会交流がうまく行われていると、子どもは「どちらの親からも愛されている」という安心感を得ることができる、と専門家は指摘します。
最高裁判所は、2013年12月に作成したパンフレット「面会交流のしおり-実りある親子の交流を続けるために-」の中で、次のように記しています。
面会交流は、子どもの成長のために行うものです。夫と妻という関係から子どもの父と母という立場に気持ちを切り替え、子どものためにお互いが補い合い、協力し合いましょう。子どもにとっては、どちらも大事な親なのです。
初めのうちは面会交流が順調にいかないこともあるかもしれません。そのようなときにも、子どもの幸せを考えながら、目の前の出来事に一喜一憂せず、柔軟な態度でのぞんでいくことが大切です。
子どもとの面会交流の際に心がけるべきことを、まず、普段子どもと離れて暮らしている親の側から説明します。
面会の前の段階では、面会交流の日にちや時間、場所などを設定するに当たり、子どもの生活のペース、スケジュールに合わせるようにしましょう。子どもの年齢、体調、学校や課外活動、習い事などの状況を十分に尊重して、子どもに無理のないような日時や場所、内容などを決め、子どもが喜んで会えるようにするのがよいと思います。
元夫婦の相手側と、面会のやり方について離婚時に取り決めている約束事があるはずです。これはきちんと守りましょう。特に面会交流を終える時間や、子どもを引き渡す場所などを相手に相談なく変えると、以後の対立・トラブルの原因になりかねません。急な事情により約束を守れなくなった際には、すぐに相手側に連絡しましょう。
子どもと会っているときには、できるだけ子どもがのびのびと過ごせるようにする心がけが大切です。一緒に暮らしている親の悪口を聞かされたり、親の様子をしつこく聞かれたりすると、子どもは気持ちが重くなってしまいます。子どもが今関心を持っていることや学校の行事、最近のうれしいニュースなど、子どもが生き生きと話せる話題を見つけ、聞き役に回るような接し方ができたらよいと思います。
高価なプレゼントなどで子どもの関心を引きつけることは、子どもの健全な成長の面からも好ましくありません。モノやお金が本当に必要なときは、親同士で話し合いましょう。
元パートナーの相手側(子どもが普段、一緒に暮らしている親)に相談することなく、子どもと「泊まりがけで旅行に行こう」などと約束したりすると、子どもに後ろめたい思いをさせたり、子どもを不安にさせたりします。また、親同士の新たな紛争の原因になることもあります。そのような事柄は親同士の話合いで決めるようにして、子どもに負担を感じさせないようにしましょう。
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