おおいけ法律事務所 弁護士 﨑山 有紀子

 
 

〒815-0073 福岡市南区大池1-23-8-305

電話092-555-7507

なるほどQ&A 市民生活でよく遭遇する法的なトラブル・問題の解決法は

犯罪被害者




  Qアイコン

 酒場でのけんかに巻き込まれ、けがをしました。この件については1人の男が傷害容疑で警察に逮捕されましたが、結局不起訴となりました。このままでは納得できません。どんな事件だったのか知りたいのですが、捜査の記録を見せてもらうことはできないのでしょうか


  Aアイコン

 不起訴となった捜査記録の閲覧は認めない、というのが検察庁の基本的な考え方です。しかし交通事故の分野では以前から、事故に関する民事訴訟を審理、担当している裁判所、弁護士会からの求めに応じ、実況見分調書などの証拠の送付・照会が行なわれてきました。

 交通事故以外の分野でも、以下のような場合には被害者支援の一環として、被害者・遺族に対して、不起訴記録の一部の閲覧が認められています。ご質問のケースは①に当たり、記録の閲覧が認められる可能性があると考えられます。

 ①…被害者参加制度の対象となる事件(殺人、傷害、危険運転致死傷罪など故意の犯罪行為で人を死傷させた場合や、強姦、強制わいせつ、逮捕・監禁、過失運転致死傷罪などの罪の場合)の被害者・遺族に対しては、捜査・公判に支障が生じたり、関係者のプライバシーを侵害したりしない範囲で、実況見分調書等の閲覧が認められます。この場合、下記の②のような権利行使のための必要性などは特に必要とされず、単に「事件の内容を知りたい」という目的であってもよい、とされています。

 ②…その他の事件被害者・遺族に対しては、民事訴訟等において被害回復のために損害賠償請求をするなど「権利を行使するために必要」と認められる場合に限り、実況見分調書などの記録の閲覧が認められています。この場合も①と同様、捜査・公判に支障が生じたり、関係者のプライバシーを侵害したりしない範囲であることが条件になっています。



犯罪被害者QA1 犯罪被害者QA2 犯罪被害者QA3 犯罪被害者QA4 犯罪被害者QA5 犯罪被害者QA6 犯罪被害者QA7