おおいけ法律事務所 弁護士 﨑山 有紀子

 
 

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なるほどQ&A 市民生活でよく遭遇する法的なトラブル・問題の解決法は

金銭貸借・債務整理




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 住宅ローンを組んでいますが、収入が減ったので約束通りに返済を続けていくことが難しくなりました。ただ、返済は続けたいと思っています。毎月の返済額を少し減らしてもらうよう、銀行ともう一度話し合いたいのですが


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 ご質問のケースのように、借金している方がこのままでは返済を続けていくことが難しくなった場合、債権者と話し合って返済方法を変更してもらい、生活の立て直しを図るための手続きが「特定調停」と呼ばれるものです。返済方法の見直しとは、例えば「毎月の返済額を減らす」「返済期限をもう少し先延ばしにしてもらう」「一括払いを分割払いに買えてもらう」といったものです。

 裁判所への申し立ての際には、以下のものを資料として提出します。


 ①資産(不動産、自動車、預貯金など)の一覧表
 ②債権者、担保権者の一覧表
 ③収入、支出が分かるもの(給与明細、家計簿、通帳などの写し)
 ④借り入れの内容が分かるもの(契約書などの写し)
 ⑤これまでの返済の内容が分かるもの(領収証などの写し) など


 特定調停は、法律や税務、金融、企業の財務、資産の評価等に関する専門知識や経験を有する人をメンバーとする「調停委員会」が仲介役となって手続きを進めます。つまり、申立人から生活状況や収入、今後の返済方針などを聴取した上で、債権者側はどのような意向なのかを聴き、残っている債務をどのように支払っていくことが合理的なのか、双方の意見を調整していきます。

 こうして新たな返済方法について双方が合意すれば、債務者(借金をしている人)は以後、その計画に従って返済をしていくことになります。話し合いでまとまった内容は調書(調停調書)に記載され、この調書には判決と同じ効力があります。つまり、調書に書かれた通りの返済をしない場合には、債権者側はあらためて訴訟を起こすことなく、強制執行することができます。

 特定調停の話し合いがまとまらない場合でも、調停委員会が職権で調停に代わる決定をすることもあります。債務者、債権者から2週間以内に異議の申し立てがなければ、この決定通りの内容で調停が成立したのと同じ効果が生じます。



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