おおいけ法律事務所 弁護士 﨑山 有紀子

 
 

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なるほどQ&A 市民生活でよく遭遇する法的なトラブル・問題の解決法は

子ども




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 子どもが休み時間に、学校の校庭の遊具で遊んでいてけがをしたのですが


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 お子様の学校は公立学校でしょうか。もし公立学校ならば、ほとんどの学校が日本スポーツ振興センターという組織の「災害共済給付制度」というものに加入しています。これによって、子どもが学校の管理下でけがなどをした場合には、学校の責任の有無に関係なく、子どもの保護者に災害給付金が支払われます。この災害給付金には治療費や、障害見舞金などが含まれます。

 これとは別に、学校の管理責任を問いたい場合があるかもしれません。ご質問は校庭の遊具で遊んでいてけがをしたケースでした。公立学校の場合、校庭の遊具の設置や管理に「欠陥(行き届かない点)」があった場合、それによって生じた損害の賠償責任が設置者(市立学校ならば市)にあります。「低学年の子どもが使うには危険な遊具が設置されていて、しかも低学年生が自由に遊べる状態だった」場合や、「遊具のねじが緩んでいたのに、きちんと修理がされていなかった」場合などは、この「設定や管理の欠陥」と言えるでしょう。

 他方、子どもが遊具を本来予定されているような使い方ではなく、危険を伴うような使い方をしてけがをしたようなケースでは、「過失相殺」といって、子ども(保護者)側にもけがについては一定程度の責任があるとして、賠償金額が差し引かれることもあります。裁判例では、①先生が雲梯の正しい使い方を機会あるごとに説明し、上に登らないように再三注意していた②一緒に遊んでいた同級生からも止めるよう制止されていた--にもかかわらず、③雲梯の上に上って「飛行機飛び」という遊び方をしていた子どもが、雲梯が倒れてきてけがをしたケースで、子ども・保護者側の過失相殺を認めた事例があります。



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